社員の価値を最大化する『VTO』という共闘モデル

二人が語り合うのは、社内で『VTO(バーチャル・チーム・アウトソーシング)』と定義された独自の組織戦略。
それは単なる業務委託の枠を超え、社員をルーティンワークから解放し、より創造的な「未来」へ向かわせるための、合理的かつ人間味あふれる経営判断だった。
目次
- 【「外注」ではなく、組織の「拡張」。あうんの呼吸で動く第二のチーム】
- 【プロフェッショナル同士の健全な緊張感が、圧倒的な質を生む】
- 【定型業務を手放し、社員は「未来」を創る仕事へ】
- 【境界線を溶かし、次世代へ繋ぐ組織論】
- 【編集後記】
【「外注」ではなく、組織の「拡張」。あうんの呼吸で動く第二のチーム】
インタビュアー:『VTO(バーチャル・チーム・アウトソーシング)』とは何でしょうか?
田中:まず、この『VTO』という言葉ですが、実は既存のビジネス用語ではありません。我々が独自に定義した概念(コンセプト)なのです。
高橋:そうなんですよね。私も当初は、業界のスタンダードな用語かと思っていました。「バーチャル・チーム」という響きが、あまりにも今の時代に自然にフィットしていましたから。
田中:「バーチャル」と言うと、仮想的で実体のないものをイメージされるかもしれません。しかし、我々の想いは逆です。事業の外部にクラウド人材による専門チームが存在し、彼らがあたかも「本社の内部の人間」のように有機的に機能する。プロジェクトを通して、共に成果を追求していく……そんな、境界線を超えた「ワンチーム」としての意味合いを込めているんです。
高橋:導入当初は、私も「クラウドディレクター」という存在の役割を完全には咀嚼できていませんでした。しかし、実際にプロジェクトを回してみて腹落ちしました。個々のワーカーを束ね、我々の意図を翻訳する「ハブ」となるのが、クラウドディレクターなんですね。
田中:その通りです。例えば「Webマーケティングを強化したい」と考えた時、社内でゼロから人材を育成するには時間がかかりますし、札幌エリアだけで即戦力を探すというのも、限界があります。そこで、全国に散らばる優秀なスペシャリストを見つけ出し、「このチームで挑みましょう」と最適なアサインをしてくれるのが彼らです。
高橋:私たちが個々のワーカーに過度な介入を行わなくとも、ディレクターに「実現したい世界観」を共有すれば、最適なチームを組成してくれる。このスピード感と精度は、非常に心強いです。
田中:自社ですべてのリソースを抱え込むのではなく、必要な時に、最強の専門チームを「実装」できる。これがVTOの本質であり、従来の硬直的な雇用形態とは決定的に異なる、組織の「拡張性」だと考えています。
【プロフェッショナル同士の健全な緊張感が、圧倒的な質を生む】
インタビュアー:概念がいかに優れていても、問われるのは現場の「実効性」です。実際に連携してみて、仕事の質やプロ意識にどのような手応えを感じていますか?
高橋:実際に採用業務を連携してみて驚いたのは、彼らの「プロ意識」の高さです。求人原稿の作成や媒体管理などを任せていますが、こちらの定時に関係なく動いてくれる機動力はもちろん、何より「成果」へのコミットメントが素晴らしい。
田中:そこが決定的な違いですよね。直接雇用であれば、プロセスや勤務態度も評価の一部になりますが、彼らとの関係はもっとシンプルで研ぎ澄まされている。純粋に「成果」だけで繋がっているのです。
高橋:はい。「期待された役割を絶対にやりきる」という気概を感じます。もし成果が出なければ、パートナーとしての契約が見直される可能性があることを、彼ら自身が一番よく理解している。その健全な緊張感が、仕事の質を一段高く引き上げているように感じます。
田中:厳しいようですが、それこそがビジネス本来の姿であり、プロ同士の対等な関係だとも言えますね。もちろん、我々も過去にはマッチングが最適解ではなかったケースもありましたが。
高橋:ありましたね。でも、だからこそ「合わなければすぐに切り替えて、より良いチームを探せる」というアジリティ(俊敏性)が組織には必要だと学びました。失敗を恐れずにトライ&エラーができるのは、この仕組みならではの強みです。
田中:その通り。組織の新陳代謝を促し、常にその時々のベストな布陣で挑む。それが結果として、サービスの質を守り、高めることになるのですから。
【定型業務を手放し、社員は「未来」を創る仕事へ】
インタビュアー:VTOを導入してから働き方の「質」はどう変わりましたか?
高橋:劇的に変わりました。以前は自分で手を動かしていた実務の多くをクラウドチームに一任しているので、仕事の工数が減っています。私は彼らのマネジメントと、より上流の戦略立案に集中できています。
田中:それこそが狙いです。社員には、定型業務に忙殺されるのではなく、会社の「未来」を創る仕事、よりクリエイティブで付加価値の高い領域にシフトしてほしい。
高橋:以前は「外に出すとコストがかさむのでは?」という懸念もありましたが、実際は逆でしたね。本社で専門職を一人採用・育成するよりもコストパフォーマンスは高いですし、何より提供されるスキルの専門性が高い。
田中:コストの最適化はあくまで「結果」であって、目的はそこではありません。例えば今後、M&Aなどで事業が急拡大した時、管理部門がパンクしないように、今のうちから「外部リソースと連動できるスケーラブルな仕組み」を整えておきたいのです。
高橋:なるほど。人を闇雲に増やして解決するのではなく、仕組みで解決する。そうすることで、私たち社員は新しい事業や、より高度なマネジメント業務に集中できる環境が整うわけですね。
田中:これからの時代、AI活用も含めて「効率化できるものは流す」のが鉄則です。そうして空いた手で、社員には新しいチャレンジをしてほしい。事業が拡大するたびに人を慌てて探すのではなく、「今いるメンバーで、もっと大きなことができる」状態を作りたい。それが私の経営者としての願いでもあります。
【境界線を溶かし、次世代へ繋ぐ組織論】
インタビュアー:「VTO」に関してですが、お二人は「5年後、10年後」の未来をどのようにお考えですか?
田中:「もし次の世代に会社をバトンタッチする時が来たら」と、よく考えるんです。その時、札幌だけで人を集め、すべての機能を自前で抱える……というモデルが、果たして最適解だろうか、と。
高橋:今の採用市場の難易度や変化の速さを考えると、組織の柔軟性は不可欠ですね。
田中:そう思います。だからこそ、今のうちからVTOのような柔軟な組織作りが必要なんです。必要な場所に必要なプロフェッショナルを配置し、社員はコア業務に集中する。高橋さんが今、採用実務を手離し、管理中心となって次のステージへ進もうとしているように、他の部署にもこの波を広げていきたいですね。
高橋:はい。私自身、クラウドチームのおかげで、採用の専門知識を持ったパートナーと仕事ができ、視野が広がりました。この成功体験を社内の「スタンダード」にし、組織全体のレベルアップに貢献していきたいです。
【編集後記】
「外注」ではない。「共闘」である。 VTOという選択肢は、地方企業の採用難を解決するだけでなく、社員が「作業者」から「経営のパートナー」へと進化するための舞台装置でもあった。
田中さんと高橋さん、二人の視線は、既に次の成長フェーズを見据えている。

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