PLACES野幌
サービス提供の中で大切にしていることや、安心して過ごせる環境づくり等、事業所についてインタビューしました。
目次
利用者様の主体性を大切に
ーこの事業所の特徴を教えてください
この事業所の一番の特徴は、利用者様一人ひとりを丁寧に観察し、その方に合った役割を提供することで、主体性や所属意識を育む支援をしていることです。ただ“サービスを受ける”のではなく、“自分もこの場所の一員として役割を持っている”と感じられることが大切だと考えています。
ーどのように役割を提供していますか？
例えば、料理が得意な方には昼食準備のお手伝いをお願いしたり、植物が好きな方には施設のグリーンの管理をお願いしたりしています。ただ“お願いする”だけではなく、その方が無理なく続けられて、やりがいを感じられるものを一緒に考えることが重要です。
以前、『自分には何もできない』とおっしゃっていた利用者様がいました。でも、お茶を配る役をお願いしたところ、とても生き生きとされて、周りの方との会話も増えたんです。『みんなのためにできることがある』と実感できると、人って大きく変わるんですよ。
小さな気づきを大切に
ー日々の介護で意識されていることは？
当施設では、多職種協働による観察に基づいた個別ケアの実践を重視しており、スタッフ一同、利用者様の微細な変化を捉えることを共通認識としています。
一例として、昼食後の覚醒レベル低下が見られた利用者様に対し、血糖値変動の可能性や在宅における睡眠状況といった要因についてスタッフ間で情報共有と討議を行い、その結果、活動内容や実施順序の再検討に至りました。このような個別化された一日のサービス内容の調整により、在宅生活における睡眠の質が改善された結果、生活リズムが安定しました。
利用者様の非言語的サインやバイタルサインの変動、生活リズムの推移など、わずかな兆候も見逃すことなく、その背景にある要因を分析し、『なぜその状態が生じているのか』『より質の高い生活を送るためにはどのような支援が必要か』という視点に基づいた検討を重ね、日々のケアに反映させています。
このような、エビデンスに基づいた丁寧なアセスメントと、チームアプローチによる継続的なケアの改善こそが、当施設の強みであると認識しております。」
スタッフの連携と利用者様の成長
ースタッフについて教えてください
スタッフ同士の連携はとても良いですね。誰か一人が抱え込むのではなく、みんなで利用者様のことを考える姿勢が根付いています。気づいたことをすぐに共有し、より良い支援につなげていく。このチームワークが、事業所の大きな強みだと思います。
また、スタッフ全員が“利用者様ができることを増やす”という視点を持っています。ただ手伝うのではなく、“どうすれば自分でできるようになるか”を常に考えて支援しています。そのために、利用者様の状態や目標に合わせて、リハビリの内容や関わり方を細かく調整しています。
ー印象的なエピソードはありますか？
ある利用者様が、『ここに来ると安心する』とおっしゃっていたことがありました。最初は不安そうにされていたのですが、スタッフが積極的にお話ししたり、小さな変化にも気を配ることで、徐々にリラックスできるようになったんです。その方にとって、ただの通所ではなく、“安心できる居場所”になったと感じられたのは、私たちにとっても嬉しい瞬間でした。
また、以前は運動が嫌いだった利用者様がいたのですが、“日常生活の延長”として自然に体を動かすような支援を続けたところ、少しずつ習慣になり、『最近、足腰がしっかりしてきた気がする』と笑顔で話してくれるようになりました。利用者様自身が“できるようになった”と実感できることが大切だと思っています。
温かみのある空間づくり
ー事業所の環境面への工夫は？
設備面でも、利用者様がより快適に、そして主体的に過ごせるよう、さまざまな工夫をしています。たとえば、アイランドキッチンを設置することで、自然と料理に参加しやすい環境を整えており、日常生活の中でのリハビリ（生活リハ）が実現できています。利用者様が色とりどりのエプロンを身につけて、楽しそうに調理に取り組む姿は、私たちの大きな強みのひとつです。
また、リハビリ用のTRXなどの器具も導入し、楽しみながら体を動かせる仕組みも取り入れています。
さらに、隣接する保育園との交流も積極的に行っており、世代を越えた関わりが自然に生まれる環境となっています。
また、施設のデザインにもこだわり、病院のような無機質な雰囲気ではなく、温かみのある空間を目指しています。『落ち着く』とおっしゃる利用者様が多いですね。
ー事業所の魅力を一言でまとめると？
一人ひとりを大切にし、それをスタッフ全員で共有しながら支えていくこと。それが私たちの一番の強みです。
利用者一人ひとりを丁寧に観察し、その人に合った役割を提供することで、主体性や所属意識を育みます。単なる“通う場所”ではなく、“自分の役割を持ち、安心して過ごせる場所”として、生きがいや喜びを感じられる環境づくりを大切にしていることが大きな強みです。