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「3eee」 田中紀雄社長が語る:過去から未来へ、介護の常識を覆す挑戦

人の「生きがい」を大切に、社会貢献を目指す「3eee」の田中紀雄社長に、会社設立への熱い想いから、革新的な事業展開、そして介護・福祉業界の未来を切り拓く戦略まで、深掘りしてお話を伺いました。

目次

「リハビリ難民をなくしたい」――熱意と課題意識から生まれた3eee設立の原点

―「3eee」の設立に込めた想いや背景について教えてください

ヒューマンリンクという会社から始まった現在の「3eee」は、自身の強い思いと社会的な課題意識から設立されました。私自身、目標も経営理念もない、いわゆる「ブラック企業」での勤務経験がありました。その中で強く感じたのは、人と人とのつながりを大切にする会社でありたいという思いです。それが今の「3eee」設立の原点ですね。

 

もう一つ、社会的な課題意識もありました。医療現場ではリハビリの日数制限があるため、介護度の低い方が利用できる事業所が少なく、多くの方が「リハビリ難民」となっている現状がありました。一方で、介護現場では介護度の高い利用者様の奪い合いになり、介護度の低い方は断られる傾向にあったんです。生活期のリハビリは介護が担う状況になったにもかかわらず、現場では高齢者の幼稚園のようなレクリエーションばかりで、介護保険制度が掲げる「自立支援」が有名無実化していると感じました。

 

この状況を何とかしたいという強い思いから、自立支援を目的としたリハビリ中心のデイサービスを立ち上げることを決意しました。

 

そして、社名「3eee」には、3つの「e」に私たちの想いを込めています。一つ目の「e」は「enthusiasm(熱意・熱狂)」、二つ目の「e」は「entertain(楽しませる)」、そして三つ目の「e」は「epoch(新時代の創造)」です。利用者様が自立し、生きがいを持って生活を送れるよう、あらゆる面からサポートしたいという私たちの決意を表しています。

「夢から始まる支援」―3eee独自のSPDCAサイクルと“生きがい”に寄り添うリハビリのかたち

―3eeeのサービス:SPDCAサイクルと「生きがい」への注力について教えてください

私たちのサービスの一番の特徴は、独自の「SPDCAサイクル」と、利用者様の「生きがい」に徹底的にフォーカスした支援です。

 

一般的なPDCAサイクルに、私たちは「Survey(サーベイ)」という段階を加えています。これは、ケアプランに足りない部分をしっかりと引き出すために、利用者様の夢や目標を丁寧に聞き取るプロセスです。簡単に言えば、PDCAサイクルの先頭にサーベイを置くことで、よりパーソナルな目標設定を可能にしているわけです。

 

その上で、ノルウェー発祥の運動療法機器である「レッドコード」を中心とした、活気ある事業所運営を行っています。利用者様が楽しみながらリハビリに取り組める環境を提供することで、身体機能の向上だけでなく、精神的な満足感も得られるように心がけています。

「早く死にたい」の声から始まった――“生きがい”を問い直す介護小説出版の原点

―「生きがい」を見つめ直した介護小説の出版について教えてください

介護小説を出版したことは大きな転機でしたね。この本は、医療の研修過程や介護福祉士の養成校でも使っていただいているのですが、業界で一時期論争になった「寄り添う介護」と「運動する介護」のポイントを、私たちの実際の事例を交えながらわかりやすく解説しています。

 

この本の企画段階で、利用者様に何百ものアンケートを取りました。そこには多くの感動的なストーリーが寄せられたのですが、その中にどうしても気になったものが2件ありました。「家族に迷惑をかけたくないから早く死にたい」というものでした。この言葉を読んだとき、心が締め付けられるような思いでした。

 

すぐにスタッフとその件を真剣に語り合いました。その頃から、「生きがい」がいかに大切かということを痛感し、会社の理念にも「生きがい」という要素を加えて再スタートを切ることを決意しました。この出来事が、私たちの事業の方向性をより一層深く、利用者様の「生きがい」の創造へと結びつけるきっかけとなりました。

人材不足時代の挑戦――海外人材と多職域展開で築く“選ばれる職場”づくり

―人材不足という課題に対して、どのような取り組みをされていますか?

人材不足は、この業界の喫緊の課題ですよね。私たちは登録支援機関として、海外人材の特定技能の受け入れを積極的に行っています。全国的に人口が減少局面に入ったのは10数年前からですが、北海道は20数年前からそうだったんです。地方にこそ高齢者が置き去りにされている昨今、介護インフラが成り立たなくなるのは時間の問題だと考えています。海外人材の活用は、この問題を解決するための重要な一手だと捉えています。

 

また、事業展開によるスケールメリットを活かして、活躍するスタッフの職域の幅を広げることにも注力しています。今では、現場職の有資格者が動画やアプリなどを通して研修や訓練を行ったり、新規企画開発に加わったり、複数事業所の管理や内部監査など、多方面で活躍しています。個々のスキルを活かし、成長できる環境を提供することで、スタッフのエンゲージメントを高め、長く働いてもらえるような職場づくりを心がけています。

現場の知見を“集合知”に――年3,400万円のコスト削減を実現した「DigitalBrain」の全貌

―デジタル技術を活用した「DigitalBrain」について教えてください

「DigitalBrain」は、私たちの事業運営に欠かせない、まさに「脳」のような存在です。

 

これは、各事業所からの成功事例を動画、資料、ツールなどで格納し、再現性高く共有できる「事例投稿機能」を持っています。また、シラバスで体系的にまとめられた研修動画や、各専門分野のプロフェッショナルによる講演会なども、好きな時間に好きなだけ視聴可能です。誰がどれだけ研修したのかも管理できるので、個人のスキルアップ状況を把握できます。さらに、AIチャットボットを搭載しているので、疑問や質問を深掘りしていくことも可能です。

 

加えて、法人管理、事業所管理、対応記録、臨店管理、発注管理といった事業所運営に必要な「何をどこまでやったか」がすべて含まれています。

 

DigitalBrainの導入効果は絶大で、特に業務の合理化に大きく貢献しました。これまで複数の中間管理職が担っていた業務を「集合知」によって集約・合理化したことで、宿泊費や渡航費なども含め、年間約3,400万円のコスト削減を実現しました。

その結果、中間管理職は他の重要な業務に集中できるようになりました。さらに、Google Apps Script(GAS)やビジネスチャットと連携することで、さまざまな情報がスマートフォンに直接届くようになり、業務の最適化に欠かせないツールとなっています。

 

私たちはこれからも、人と人とのつながりを大切にし、テクノロジーを積極的に活用しながら、より質の高い介護・福祉サービスを提供し、社会に貢献していきたいと考えています。

地域の縮図から未来を育む――多世代が交わる循環型福祉拠点「百年の森」の挑戦

―多世代複合施設「百年の森」のコンセプトと、未来への展望を教えてください

「百年の森」は、通所介護・居宅介護支援・児童発達支援・就労継続支援の4つの事業が融合した多世代複合施設です。日常的に子どもから高齢者までが交流できる環境が整っており、まさに地域社会の縮図といえる場を創出しています。この日常的な多世代交流を通じて、子どもたちは自然と社会性や思いやりを育み、高齢者には「役割」や「生きがい」が生まれています。実際に、利用者様全員が「自分には役割がある」と回答しており、交流が個々の自己肯定感や社会参加意識の向上につながっていることがわかります。

 

就労支援の一環としては、コーヒーの焙煎や玄米の精米・販売も行っており、作業の中で出た副産物は石けんや着火剤にアップサイクル。それらをストアやECサイト、ふるさと納税の返礼品などで販売し、循環型の福祉経済を実現しています。

 

私たちはこの場所から、百年先の未来にも続く「地域のつながり」を育んでいきたいと考えています。

逆風をチャンスに変える――「3eee」が描く介護業界再生戦略とM&Aの活用

―厳しさを増す介護業界の経営環境の中で、「3eee」はどのような戦略をとっていますか?

現在の介護業界は、新型コロナウイルス感染症の影響が依然として色濃く、特に訪問介護やデイサービスなどの在宅サービス分野では、倒産件数が増加傾向にあります。これは、感染症対策による利用者数の減少に加え、物価高騰や建築資材の高騰が事業運営を圧迫しているためです。このような厳しい経営環境下で、新たな介護事業を立ち上げることは、高齢者の生活水準やサービスの質を維持することを考えると、非常に困難な状況と言えます。安易なフランチャイズ展開も、事業の安定性や収益性確保の観点から、現状ではリスクが高いと判断しています。

 

このような背景から、「3eee」ではM&A(合併・買収)を積極的に推進し、事業再生案件に注力しています。先日も大規模な企業買収をしましたが、これは単なる規模の拡大ではなく、経営が困難に陥っている介護事業所の再生を支援し、その収益性を向上させることを目的としています。私たちは、長年培ってきた介護事業運営のノウハウと、効率的な経営改善策を投入することで、買収した事業所の事業基盤を強化し、収益性の高いモデルへと転換させることが可能だと考えています。これにより、既存事業の収益性を高めるとともに、市場における競争力を強化し、持続的な成長を目指します。

アジアの高齢化に挑む——3eeeが描く外国人材還流スキームと海外展開戦略

―「3eee」では海外展開や外国人材の活用にどのような戦略を持っていますか?

「3eee」では、長期的な視点に立ち、海外展開の準備を着々と進めています。この戦略の背景には、アジア各国における急速な高齢化の進展と、日本国内における深刻な介護人材不足という二つの大きな課題があります。

 

アジアの多くの国々では、日本と同様に高齢化が急速に進んでおり、将来的に介護サービスの需要が大幅に増加することが見込まれます。この潜在的な市場に対し、日本の質の高い介護サービスや介護ノウハウを提供することで、新たな事業機会を創出できると考えています。

 

また、日本国内の介護人材不足は、介護サービスの質や持続可能性に大きな影響を与えています。この課題を解決するため、私たちは外国人材の日本への誘致と、彼らが母国へ帰国した後も介護の知識や経験を活かせるような「外国人材還流スキーム」の構築を目指しています。具体的には、日本で介護の専門知識や技術を習得した外国人材が、母国で介護事業を立ち上げたり、日本の介護事業所の海外展開拠点と連携したりすることで、双方にメリットのある関係を築き上げます。これにより、日本は優秀な介護人材を確保し、アジア各国は自国の高齢化問題に対応するための介護サービスを向上させることができます。

 

このような海外展開と外国人材の還流を促進する仕組みは、3eeeにとって単なる海外市場への進出に留まらず、新たな事業領域を確立し、持続的な成長を実現するための重要な戦略と位置付けています。

「当たり前」の未来へ──介護・福祉が社会インフラとなるために必要な進化とは

―介護・福祉がこれから社会において果たすべき役割について、どのようにお考えですか?

介護・福祉は、人生の「当たり前」の一部として、社会の不可欠なインフラになるべきです。これを支えるには、単なるボランティアではなく、持続可能な産業としての成長が不可欠。

 

効率的な運営やテクノロジー導入、質の高い人材育成で、安定した経営基盤を築く必要があります。また、介護・福祉はあらゆる人種や文化を超え、真の多様性を最も必要とする分野です。海外人材の積極的な受け入れと、異文化理解の促進が、より質の高いサービス提供に繋がります。

 

生活に自然に溶け込み、誰もが安心して利用できる開かれた存在となることで、介護・福祉は社会インフラとして、さらに発展するでしょう。

「あなたの一歩が未来を変える──介護・福祉に挑むすべての人へ」

―これから介護・福祉分野で活躍する方々へのメッセージをお願いします

介護・福祉業界は、ときに新しい人に対して排他的な側面があるかもしれません。しかし、この分野こそが、あらゆる人種や宗教の壁を越え、真の多様性を最も必要としていると私は信じています。

 

異業種からの資本や、多様なキャリアを持つ方々の参加は、この業界に新たなイノベーションを生み出す上で非常に重要です。たとえ最初は苦労することがあっても、ぜひ積極的にこの分野へ飛び込んできてください。あなたの参入が、介護・福祉をより自然に生活に溶け込むものにし、産業としてさらなる発展を促す原動力となるでしょう。

 

 

株式会社3eeeは、「生きがい」を軸とした事業展開へと進化を遂げてきました。
M&Aやデジタル技術を活用した事業拡大、さらには海外展開へのビジョンも掲げ、社会課題に真正面から向き合いながら挑戦を続けています。
未来を切り拓くリーディングカンパニーとして、今後も新たな価値を創出し続けます。

この記事は2025年8月15日に作成されました