人と仕事が輝く場所

ホテル業界から福祉の世界へ
川村さんは、かつて函館駅前のホテルリソル函館でフロント業務を担当していた。人と接することが好きだったため、転職を考えた際も “誰かの役に立ちたい” という想いが軸にあった。しかし、福祉の世界に足を踏み入れたのは、まさに偶然の出来事だった。「最初は支援員の仕事だと知らずに応募したんです。でも、気づいたら福祉の仕事に夢中になっていました」と笑顔で振り返る。
ホテル時代は、一流の接客スキルを磨きながら、多くの人と出会い、喜びを分かち合うことができた。それが今、支援の現場で活きている。「相手の気持ちを汲み取ることが大切。福祉の仕事も、結局は人と人との関わりなんです。」
就労支援のやりがい
現在は百年の森函館で就労継続支援B型の管理者として活躍。中でもコーヒー作りの支援には、強い情熱を注いでいる。「もともとは飲む専門でしたが、利用者様と一緒に豆の種類を選び、焙煎や抽出方法を試行錯誤しているうちに、すっかりハマってしまいました。」
百年の森函館で提供されるコーヒーは、丁寧にハンドドリップされた深みのある味わいが特徴。利用者が心を込めて淹れた一杯は、多くのリピーターを生んでいる。「お客さんから『おいしい!』と言われたときの利用者さんの笑顔を見ると、この仕事をしていて本当に良かったと感じます。」
こだわりは "楽しむこと"
「仕事は楽しくなければ続かない。」— これが川村さんの信念だ。支援の現場でも、ただ作業をこなすのではなく、”楽しむこと” を何よりも大切にしている。「利用者さんが自然と笑顔になれる環境をつくることが、私たち支援員の役割だと思っています。」
利用者様の中には、過去に職場でうまくいかず自信をなくしてしまった人もいる。しかし、百年の森函館では、少しずつ自分のペースで仕事を楽しみ、再び社会とつながる喜びを感じてもらえるよう支援している。「職員自身が楽しむ姿勢を持つことで、その前向きなエネルギーが利用者様にも伝わるんです。」
支援の強み
利用者様の体調や特性に応じて “立ち作業と座り作業を選べる” 仕組みを導入しています。
例えば、立ち仕事が得意な人は施設内の清掃などを担当し、座って作業をしたい人はコーヒー豆の計量やラベル貼りなど、座位でも可能な軽作業に取り組みます。こうした柔軟な環境づくりが、多くの利用者様の安心感につながっています。
また、施設内はバリアフリー設計が施されており、車椅子の方でも快適に作業ができるよう配慮されています。さらに、介護施設や地域の企業との連携を強化し、利用者様が社会と接点を持つ機会を増やしています。「誰かに『ありがとう』と言われる経験が、利用者様の自信につながります。仕事を通じて社会の一員として認められることが、何よりのやりがいです。」
未来の仲間へ
「とにかく楽しく働きましょう!」— これが川村さんのメッセージだ。「失敗しても大丈夫。誰もが自分らしく働ける場所が、百年の森函館にはあります。」
支援の現場には、毎日たくさんのドラマがある。川村さんの温かいまなざしと前向きな姿勢が、利用者様の笑顔につながっている。

(Tel:0138-83-8232/Fax:0138-41-4811)
通所介護・居宅介護支援・児童発達支援・就労継続支援B型と4業態をミックスした多世代複合施設『百年の森 函館』
就労継続支援B型では、併設するデイサービスの清掃や昼食の作成・片付け、こだわりのコーヒー焙煎~コーヒー制作の作業を中心に行っている。