第2部：札幌から世界へ、介護人材の未来を拓く戦略とは？

現在、私たちはインドネシアをはじめとする海外からの人材確保に力を入れています。その戦略の根幹にあるのは、単に頭数だけを揃えるのではなく、「真に質の高い人材」を見極めるという視点です。特に重視しているのは、日本語能力。単に日常会話ができるレベルに留まらず、日本人と遜色なくコミュニケーションを取り、冗談を言い合えるほどの高い日本語能力を持つ人材を求めています。

そのために、インドネシア国内の日本語学校の中でも、特に優秀な日本語教師が在籍し、実践的な日本語教育に力を入れている日本語学校と連携しています。システム的な優位性よりも、教える人間の質にこだわり、そこから輩出される人材は、私たちが求めるレベルをはるかに超えています。

他社様の海外人材と比較しても、弊社の外国人職員の日本語能力は群を抜いていると自負しています。これは、彼らが単なる労働力としてではなく、日本の文化や介護の現場に深く溶け込み、利用者様との豊かな関係性を築く上で不可欠な要素だからです。

一方で、懸念しているのは、せっかく手塩にかけて育て、連れてきた優秀な人材が、他社に引き抜かれてしまうリスクです。特に、首都圏では介護職員への手当が行政から支給され、給与水準が高い傾向にあります。稼ぎに来ている彼らにとって、目先の給与が高い方へ流れてしまうのは当然の心理です。

こうした現状を踏まえ、私たちはインドネシア国内の様々な地域を訪れ、他にはない面白い仕掛けを準備しています。その詳細については、今回の視察会で初公開いたします。これまでの常識を覆す、弊社の海外人材戦略にどうぞご期待ください。

弊社の採用活動は、非常に高い競争率を誇ります。年間で実に1,000名もの応募がある中で、実際に採用に至るのはわずか90名。つまり、採用率は9%という狭き門です。これは、私たちが「誰でも良い」とは考えておらず、弊社の理念に共感し、質の高い介護を提供できる人材を厳選している証でもあります。

弊社の採用戦略は、一見すると変わっているように見えるかもしれません。しかし、私たちは明確なデータとエビデンスに基づいて戦略を構築し、実行しています。

具体的な取り組みとしては、ポッドキャストやオウンドメディアを活用した情報発信が挙げられます。介護業界でポッドキャストを実施している事業者はほとんどいませんが、私たちはこれを採用戦略の一環として捉えています。目的は、不特定多数に情報を届けることではなく、本当に弊社に興味を持ち、情報を求めている求職者層に、容易に情報が手に入る状態を作り出すことです。

求職者は、自ら情報を取りに行く傾向が強いため、ポッドキャストやオウンドメディアを通じて弊社の文化や働き方、理念を気軽に知ってもらうことができます。これにより、ミスマッチを防ぎ、入社後の定着率向上にも繋がっています。

現在、これらのメディアは走り出したばかりですが、今後さらにコンテンツを充実させ、弊社の魅力を多角的に発信していく予定です。さらに、まだ公表はできませんが、業界外の有力企業との提携も進めており、採用における情報発信の方法に革命を起こすことを目指しています。

私たちのこれらの取り組みは、決して「すごい」と自慢したいわけではありません。在宅サービスが施設よりも厳しい状況にある中で、私たちが培ってきた生存競争を勝ち抜くためのノウハウです。

今回の視察では、その具体的な戦略や、どのようなデータとエビデンスに基づいてこれらの施策が実行されているのかを、惜しみなく共有させていただきます。苦しい状況にある介護業界において、皆様の事業経営に新たな視点とヒントを提供できれば幸いです。

現在も視察参加のお申し込みを受け付けておりますので、ぜひこの機会に足をお運びいただき、弊社の実践的なアプローチを肌で感じていただければと思います。

この視察を通して、皆様の採用戦略や事業運営に新たな気づきが生まれることを願っております。